食品工場特化の設計事務所|創実ファシリティーズ東京

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認証を支えるハード計画の重要ポイント

ISO22000認証を取得・維持するためには、食品安全管理システムだけでなく、工場設備や施設設計などの**ハード面の計画(インフラ整備)**が重要です。以下の5つのポイントが特に重要視されます。

1. 衛生区域のゾーニングと動線管理

重要ポイント:

  • 衛生管理レベルに応じて工場内を「清潔区域」「準清潔区域」「汚染区域」にゾーニングします。
  • 人や物の流れ(動線)を分離し、交差汚染を防止します。

注意ポイント:

  1. 区域分けの明確化:

    • 入室前には手洗い・更衣室を配置し、清潔区域への入室制限を設けます。
    • 原材料や廃棄物の搬入・搬出経路と、製品の搬出動線を完全に分けます。
  2. ドアや間仕切り:

    • 空気や汚染物の流出を防ぐために、エアカーテンや自動ドアを設置します。
  3. 床・壁・天井の設計:

    • 防水性と耐久性のある素材を使用し、隙間や継ぎ目のない仕上げで掃除しやすくします。

2. 防虫・防鼠対策の強化

重要ポイント:

  • 害虫や鼠の侵入・繁殖を防ぐ物理的な設備とシステムを導入します。

注意ポイント:

  1. 気密性を高める:

    • 出入口や窓は密閉構造を採用し、隙間を作らない設計にします。
  2. エアカーテンと捕虫器:

    • 出入口にはエアカーテンを設置し、虫の侵入を防ぎます。
    • 紫外線捕虫器を配置して、侵入した害虫を効率的に捕獲します。
  3. 排水溝と通気口:

    • 排水溝には防虫・防鼠カバーを設置し、通気口にはフィルターを設置します。
  4. 外部環境の管理:

    • 工場周辺の雑草やゴミ置き場は清潔に管理し、害虫の発生源を排除します。

3. 清掃しやすい設備・素材の選定

重要ポイント:

  • 清掃のしやすさを考慮した設計や素材を使用し、洗浄作業の効率化を図ります。

注意ポイント:

  1. 建材の選定:

    • 壁や床は防水性・耐久性に優れた素材を使用し、汚れが付着しにくい表面仕上げを採用します。
  2. 配管や機械の設置:

    • 設備の隙間を最小限にし、機械や配管は床から浮かせて設置することで、清掃のしやすさを確保します。
  3. 排水設備:

    • 床には適切な傾斜を設け、汚水がスムーズに排水されるようにします。排水トラップを設置して臭気や虫の侵入を防ぎます。
  4. 防カビ・防錆対策:

    • 湿気の多い場所では、防カビ塗料や防錆素材を採用します。

4. 空調と換気システムの強化

重要ポイント:

  • 温度・湿度管理や空気の流れを制御し、微生物や異物の発生を防ぎます。

注意ポイント:

  1. 陽圧管理:

    • 清潔区域では陽圧に設定し、汚染空気が流入しないようにします。
  2. フィルター設置:

    • HEPAフィルターを利用して、空気中の微粒子や細菌を除去します。
  3. 結露防止:

    • 温度差による結露が発生しないように断熱材を使用し、換気を徹底します。
  4. 空調設備のメンテナンス:

    • 定期的にフィルターやダクトの清掃・交換を行い、カビや細菌の発生を防ぎます。

5. トレーサビリティと監視システム

重要ポイント:

  • 製造プロセス全体の記録を残し、問題発生時に迅速な対応ができるシステムを構築します。

注意ポイント:

  1. 記録管理システム:

    • 原材料の受け入れから最終製品の出荷までの流れをデジタル化し、追跡可能な記録を残します。
  2. 監視カメラの設置:

    • 作業エリアに監視カメラを設置し、異常があった際の原因特定を迅速に行える体制を整えます。
  3. センサーとアラームシステム:

    • 温度、湿度、空気圧などを監視するセンサーを導入し、異常時にアラームで通知する仕組みを構築します。

まとめ

ISO22000認証取得を支えるハード計画では、衛生管理を徹底するためのゾーニングと動線管理、防虫・防鼠対策、清掃しやすい構造設計、空調・換気システムの強化、トレーサビリティの確保が重要なポイントとなります。
これらの設備や構造を計画・実施することで、食品安全リスクを最小限に抑え、ISO22000認証の要求事項を満たすことができます。
詳細なプランニングやご相談については、創実ファシリティーズ株式会社までお気軽にお問い合わせください。